中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス肺炎の感染患者が、国内でも確認されました。
武漢市への渡航歴がある方で、国立感染研究所の検査により新型ウイルスによる肺炎と判明しました。
1/16現在までに確認されている情報では、
・新型コロナウイルス感染症による肺炎41症例中、6例が重症、1例で死亡
・ヒトからヒトへの感染はしない?→家族間など、限定的だが可能性あり
・有効な対策はなく、対症療法のみ
・大規模に感染が拡大している状況ではない
※1/23追記 追加の発表があったため追記します。感染拡大の恐れがあり、十分に警戒が必要です。
・感染者数500人に増加、死者数8人増の17人(試算では2000以上の感染者がいるとも)
・人から人への感染が確認
・マカオ、米国、タイでも感染が確認
・ウイルス変異する可能性があり、さらに拡散する恐れがある
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さて、冬季は通常の肺炎についても感染が広まる時期です。
意外にも、肺炎は現在でも疾患別死亡者数の5位です。
(平成29年度調査ではがん、心疾患、脳疾患、老衰、肺炎の順でした)
医学が進歩した今でも、死に至る可能性がある恐ろしい病気の一つです。
特に免疫力が低い高齢者ではかかりやすく、
重症化が懸念されます。
他にもかかりやすい人の特徴として、喫煙者、
長い喫煙歴のある人、大酒家、やせ形の人などです。
肺炎は原因により大きく細菌性、ウイルス性、
非定型(マイコプラズマなど)に分類されます。
また、他にも薬剤性やアレルギー、誤嚥によるものなど非感染性の原因による肺炎もあります。
〈肺炎の原因〉
1位:肺炎球菌
2位:インフルエンザ菌
3位:マイコプラズマ
症状としては風邪に似ているのですが、
症状が重く、長引くのが特徴です。
高齢者の方では、症状が出にくい場合もあるので特に注意が必要です。
風邪は「上気道炎」なのに対し、肺炎は
肺の肺胞または間質という部位で感染
が起こっている点が大きく異なります。
ちなみに、風邪はウイルス性疾患ですが
抗生物質が処方されるのは、肺炎の予防
の場合が考えられます。
治療法ですが、原因となる微生物に対応した
治療薬が用いられます。
特に原因の多くを占める肺炎球菌、
インフルエンザ菌に対しマクロライド系の
抗生物質が用いられます。
また、症状に応じた対症療法がおこなわれ、
重症の場合は酸素吸入なども行われ、入院となります。
肺炎の予防方法は、風邪の予防方法と
似たようなものになっています。
〈肺炎の予防法〉
・規則正しい生活
・十分な睡眠
・手洗いうがい
・禁煙
・マスク、咳エチケット
また、特に高齢者の方や基礎疾患をお持ちの方
ではワクチンの接種が推奨されています。
該当するワクチンは、
・肺炎球菌ワクチン
・インフルエンザワクチン
の2種です。
インフルエンザワクチン接種により、
インフルエンザ発病者、肺炎などによる死亡も
減少するという報告もあります。
最後に、ビタミンCが肺炎予防に効果的という
論文もあるようですが、残念ながら明確な
エビデンスに乏しく、こちらは根拠不十分のようです。
ですが、風邪予防に免疫力を高める働きをもつ
ビタミンCは一役買っています。
抵抗力をつけたい方はミカンなど、
意識してとるようにしましょう。