カビアレルギーが原因「夏型過敏性肺炎」
「夏型過敏性肺炎」
ふだん、あまり聞くことがない名前ですが
知らず知らずのうちに細菌やカビなどを吸い込んで発症する身近な肺の病気です。
6月から10月頃までの夏期をピークに発症するので「夏型過敏性肺炎」と呼ばれています。
ずっと使用していなかったエアコンを稼働させたり
お風呂のカビ掃除をした後で
熱が続く、咳が止まらないといった風邪に似た症状が続き
風邪薬を飲んでも、症状が良くならない場合は
「夏型過敏性肺炎」の可能性があります。
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■夏型過敏性肺炎の原因
酵母カビの1種であるトリコスポロン属のトリコスポロン・アサヒや
トリコスポロン・ムコイデスが原因物質です。
トリコスポロンの胞子は3~10ミクロンと極めて小さいので飛散しやすく、
肺胞の中まで吸い込まれやすいため肺炎を引き起こします。
■カビの発生個所
トリコスポロンは湿気の多い場所を好む性質があり
古い木造家屋で日当たりや風通しの悪い場所や
お風呂場・キッチン・洗濯機周り・エアコン・押入れなどは注意が必要です。
■夏型過敏性肺炎の症状
トリコスポロンの胞子を吸入後6~8時間して下記の症状が現れます。
・発熱
・咳
・呼吸困難
・頭痛
原因は家の中にあるため、専業主婦の方やご年配の方など
家にいる時間が長い人ほどかかりやすい肺炎です。
また、治療後に家に戻ってくると悪化する、夏季になると症状が繰り返すという特徴があります。
長期にわたって症状を繰り返すと、肺機能の低下から呼吸不全を引き起こし重症化することもありますので注意が必要です。
■予防法
環境改善が最も大切です。
・入浴後は、お風呂場の換気をしっかり行う
・キッチンシンクは濡れたままにしない
・屋内をしめ切った状態にせず、窓を開けて風を通す
・エアコンのフィルターをこまめに手入れする
・部屋の除湿をおこなう
・寝具はこまめに洗濯・乾燥させる
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夏型過敏性肺炎は原因であるカビのいる環境から離れることが1番です。
症状によっては、夏風邪かと軽く考えてしまいがちですが、
咳が長引く場合は「夏型過敏性肺臓炎」の可能性もあるため、
呼吸器内科を受診してください。