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睡眠改善薬、睡眠薬の作用機序・作用時間・副作用について解説します。

睡眠はストレスや就寝環境など様々なことから影響を受けます。睡眠に不調をきたしている時、皆さんはまずどう対処しようと考えますか?まずストレスを減らしたり、眠りにつきやすい環境を整えるなどして改善を図りたいところですが、それでも解消されない場合は薬の力を借りようと考える人もいると思います。

そこで今回は睡眠薬について種類と、それぞれの違いを作用機序、作用時間、副作用などの点から説明していきたいと思います。

一般用医薬品

薬局やドラッグストアでは一般用医薬品(OTC医薬品)の睡眠改善薬として様々な商品が売られていますが、中でも代表的なのはジフェンヒドラミンを主成分とする睡眠改善薬です。

ジフェンヒドラミン

作用機序

ジフェンヒドラミンはヒスタミンH1受容体拮抗薬です。H1受容体は末梢作用として抗炎症作用と中枢神経作用として鎮静作用を持ちますが、ジフェンヒドラミンが睡眠改善薬として使われる際には中枢神経作用を目的としています。ヒスタミンは脳の様々な部位の神経細胞を興奮させ覚醒の維持を担っており、H1受容体拮抗薬は脳内でのヒスタミンの働きを阻害するため鎮静作用=眠気を生じさせます。

作用時間

  • 発現時間:30分後~1時間後
  • 持続時間:約7時間

副作用

  • 翌日の眠気やだるさ、吐き気

その他の注意

  • 服用をはじめて数日で耐性ができてしまうため長期連用に適しません。
  • アルコールと一緒に服用しないでください。
  • 他の催眠鎮静薬、かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬とは成分が重なりますので、併用しないでください。
  • 妊娠・授乳中の人、15歳以下、不眠症と診断されている人は服用できません。
  • 緑内障の方、排尿困難な方は服用により症状が悪化することがあるため医師、薬剤師に相談してください。

作用機序

現在日本で不眠症に対して、主に処方されている睡眠薬は大きく分けて3つあります。

  • ベンゾジアゼピン受容体作動薬
  • melatonin受容体作動薬
  • オレキシン受容体拮抗薬

このうち①については脳の活動を抑制する働きを強める薬、一方②③については自然に近い生理的な睡眠を誘導する薬、と特徴づけられます。

なぜそのように分類できるのか、作用機序等のそれぞれの違いをみていきましょう。

①ベンゾジアゼピン(BZ)受容体作動薬

作用機序

GABAは脳内の抑制系神経伝達物質です。GABA受容体はBZ受容体と複合体を形成しています。BZ系薬がBZ結合部位に結合すると、GABAとGABA受容体結合の親和性が高められ、GABAの抑制作用を強めます。脳の活動が抑制されることで眠気が現れます。

作用時間

超短時間作用型、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型

副作用

筋弛緩作用、眠気の持ちこし、入眠時・中途覚醒時の一過性健忘

依存性

常陽量の範囲内でも薬物依存が生じることがあります。また、長期間服用により身体依存が形成されることで、減量や中止時に様々な離脱症状があらわれることがあります。さらに離脱症状として不眠、嘔気・嘔吐、せん妄、振戦等がみられることがあります。

その他の注意

  • 個人差もありますが、服用翌日も眠気、注意力の低下等がみられることがあるため、自動車の運転など危険を伴う機械の操作は控えてください。
  • 高齢の方はふらつきによる転倒にご注意ください。
  • アルコールと一緒に服用しないでください。
  • 高齢者および腎、肝、心障害のある方は慎重投与が必要です。

②melatonin受容体作動薬

作用機序

melatoninは睡眠リズムを調節するホルモンです。朝、光を浴びると分泌が止まります。目覚めてから14~16時間経つと、再びmelatoninの分泌が始まります。その1~2時間後にmelatoninの分泌が徐々に高まり、深部体温の低下が促され、眠気を生じさせます。そして、翌朝に光を浴びると、melatoninが急速に減って眠気が少なくなります。melatonin受容体作動薬は、melatoninの作用を強めこのような身体の生理に沿った自然な眠りをもたらします。

作用時間

(発現時間)(持続時間)共にはっきりとは分かっていませんが、効果が出るまでに2週間ほどかかることがあります。

副作用

稀に月経異常、乳漏出又は性欲減退等がみらることがあります。

依存性

身体依存はありません。

その他の注意

  • 個人差もありますが、服用翌日も眠気、注意力の低下等がみられることがあるため、自動車の運転など危険を伴う機械の操作は控えてください。
  • 高齢の方はふらつきによる転倒にご注意ください。
  • アルコールと一緒に服用しないでください。
  • 投与開始2週間後を目処に効果の有効性を確かめ漫然と投与しないこと。

③<オレキシン受容体拮抗薬>

作用機序

オレキシンは覚醒と睡眠を調節する神経伝達物質の一つです。オレキシンが受容体へ結合すると、覚醒に関わる系を活性化させ覚醒が維持されます。この系が過剰に働いていると不眠などの症状が現れやすくなります。オレキシン受容体拮抗薬はオレキシンとその受容体の結合を阻害することで、脳を生理的に覚醒状態から睡眠状態に移行させ、自然な眠りをもたらします。

作用時間

(発現時間)(持続時間)共にはっきりとは分かっていませんが入眠、睡眠維持に有効とされています。

副作用

せん妄、眠気の持ちこし、頭痛

依存性

身体依存はありません。

その他の注意

  • 個人差もありますが、服用翌日も眠気、注意力の低下等がみられることがあるため、自動車の運転など危険を伴う機械の操作は控えてください。
  • 高齢の方はふらつきによる転倒にご注意ください。
  • アルコールと一緒に服用しないでください。
  • 高齢者および肝障害のある方は慎重投与が必要です。

眠りを助ける薬はOTC医薬品、処方薬いずれの分類でも提供されていますが、上記のように作用の強さや、副作用もそれぞれ異なります。したがって、一人一人の眠りの状況や環境に合わせて睡眠改善薬・睡眠薬を選択することが大切です。OTC医薬品を使用しても眠りが改善されない場合には、医療機関に相談し自分に合った薬を使用しましょう