便秘と下剤について解説いたします!
待ちに待ったお正月がやってきましたね。
お正月はおせち料理、お餅、新年を祝うごちそうが沢山あってついついいつもより食べ過ぎてしまうものですよね。
今のうちから年始の体重がどうなることか心配という方も多いのではないでしょうか。
しかし短期間の体重増加はむくみや便秘によるものがほとんどだそうです。
そこで今回は前回のむくみに続いて「便秘」について解説していきますので、年明けの体重増加対策にぜひお役立てください!
〇便秘の種類
・器質性便秘
小腸、大腸、肛門などに疾患による便秘。
(原因)大腸炎、クローン病、大腸がんなど
・機能性便秘
なんらかの原因により大腸の機能が低下することによる便秘。
(原因)食生活、生活習慣の乱れ
一般的な便秘はこの「機能性便秘」を指し、機能性便秘は以下の3つに分けられます。
―弛緩性便秘
腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下することによる便秘。
(原因)腹筋力の低下、食物繊維の少ない食生活、運動不足
(起こりやすい人)高齢者、女性、妊婦、デスクワーク勤務の方
―けいれん性便秘
大腸の過緊張により蠕動運動が強くなり過ぎて大腸が痙攣し便の輸送が障害されることによる便秘。便秘と下痢を繰り返すことがある。
(原因)心理的ストレス
(起こりやすい人)リラックスが苦手な方、仕事や家庭でストレスを抱えている方
―直腸性便秘
排便反射の障害によって直腸の動きが悪くなることによる便秘。
(原因)便意の我慢、脊髄の障害、浣腸の乱用
(起こりやすい人)寝たきりの方、痔を持っている方、排便タイミングに時間が取れない方
〇下剤(便秘薬)の種類
食生活、生活習慣、ストレスの改善などが難しい場合や長引く便秘に対しては下剤を使うという方法があります。
下剤にはいくつか種類があり、それぞれが異なるアプローチで排便を促しています。以下では機能性便秘に対する下剤について種類ごとに説明していきます。
<浸透圧性下剤>
①②のほかにも糖類下剤、浸潤性下剤がある。
①塩類下剤
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(作用)腸内に水分を保持し便の水分量を増やして便を柔らかくすることで排便しやすくする。
(副作用)悪心、食欲不振、不振腎機能が低下している場合は高マグネシウム血症が生じることがある
(効き始める時間)服用後12~24時間後
(特徴)効果が穏やかで腹痛を起こしづらい
使い続けることで効き目が悪くなったり(耐性)依存を起こしたりしづらい
妊娠中でも使える
②膨張性下剤
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(作用)腸内に水分を保持し便の水分量を増やし便を柔らかく+膨張させカサを増し排便しやすくする。
(禁忌)腸狭窄、重症の硬結便の方
(副作用)悪心、嘔吐、腹部膨満感
(効き始める時間)12~24時間後
(特徴)2~3日服用を続けると効果があらわれやすい
耐性、依存性を起こしづらい
<刺激性下剤>
③大腸刺激性下剤
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(作用)大腸を刺激して蠕動運動を活発にさせることで排便を促す。
(禁忌)妊婦など
(副作用)長期の使用により耐性、依存性がでることがある
(効き始める時間)8~10時間
(特徴)1回の服用で比較的早く効果が出る
一部を除き妊娠中に使用できない
<その他>
④粘膜上皮機能変容薬
(作用)小腸や腸粘膜上皮に作用し腸管内への水分分泌を増加させ排便を促進する。
(禁忌)妊婦、腸閉塞の方
(副作用)悪心、嘔吐、めまい
(効き始める時間)24時間以内
(特徴)新しい下剤
⑤胆汁酸トランスポーター阻害薬
(作用)小腸での胆汁酸再吸収を阻害し、胆汁酸の働きににより腸管内で水分を保持+蠕動運動を活発化し排便を促進する。
(禁忌)腸閉塞の方
(副作用)腹痛、下痢、吐き気
(効き始める時間)24時間以内
(特徴)妊娠中でも使用できる(慎重投与)
新しい下剤
OTC医薬品を使用しても症状が改善されない場合には、医療機関に相談し自分に合った薬を使用することが大切です。