冬の朝の高血圧「モーニングサージ」に注意!
冬は風邪やウイルスだけでなく高血圧にも注意が必要です!
寒さや急激な温度変化による上昇に加え、早朝に血圧が急上昇する「モーニングサージ」も冬に起こりやすいため冬は血圧が正常な人でも注意が必要です。
そこで今回は高血圧症とモーニングサージについて原因と予防・治療法を解説していきます!
血圧が高くなる原因
血圧とは心臓から送り出される血液が血管の内壁を押す力(圧力)のことを指します。この圧力が高くなる原因は 「血液量が増える」もしくは「血管の血液が通れるスペースが狭まる」のいずれかに大まかに分類されます。
血液量が増える原因
- ・肥満によって心臓から送り出される血液量が増える
- ・塩分を摂りすぎると塩分濃度を保とうと血液中の水分量が増し血液量が増える
血管が狭まる原因
- ・タバコに含まれるニコチン作用により末梢血管が収縮する
- ・ストレスにより交感神経の働きが強まり血管が収縮する
その他にも原発性アルドステロン症など血圧を上げる病気が原因のこともありますが、高血圧症の方の90%が本態性高血圧症であり上の原因のように生活習慣や遺伝・環境因子など複合的な要因が原因であるとされています。
冬に血圧が上がりやすいのはなぜ?
先ほどの高血圧の原因から考えると冬に血圧が上がりやすい原因がわかります。
まず冬は寒さから体温を逃さないよう血管が収縮することが多く、また鍋物などの塩分の多い食事、運動不足から太りやすいなどの要因が合わさり血圧が上がりやすくなります。
冬はモーニングサージに注意!
血圧は一日の中で食事や運動などの影響で変動していますが、大きな傾向として夜は就寝に向けて徐々に副交感神経が優位になり血圧や体温が下がり、明け型から交感神経が優位になり血圧も体温も上昇していき日中の活動時間にピークに達します。特に朝の血圧上昇が急激である場合を「モーニングサージ」と呼び、冬の朝は特に起こりやすいです。そして正常の方と比べた脳卒中や心筋梗塞などのリスクがモーニングサージがある人は2.47倍、高血圧症でモーニングサージがある人は3.92倍であるとわかっています。
モーニングサージを予防するには?
- ・スリッパを履く
- ・部屋を暖めておいて布団の中との温度差を減らす
- ・朝のコーヒーの飲みすぎに注意(カフェインの血圧上昇作用を減らす)
- ・急に起き上がらない
高血圧症の治療
高血圧症治療薬
カルシウム拮抗薬
日本で最もよく使われる高血圧症治療薬であり、血管拡張作用により血管の収縮を抑える
利尿薬
尿の排出を促進し血液量を減らす
※利尿薬についてはこちらの記事で解説しています
利尿薬の種類と副作用
α1受容体遮断薬
血管拡張作用により血管の収縮を抑える
β受容体遮断薬
心臓の働きを抑え拍動が多くならないよう調節する
ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬
)
血圧を下げる作用ののほかに腎臓を保護する働きももつ
ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)
血圧を下げる作用ののほかに腎臓を保護する働きももつ
生活習慣の改善
- ・塩分の摂取量を減らす
- ・肥満の場合は標準体重まで減量する
- ・アルコールのの摂取量を減らす
- ・ストレスコントロール
- ・ウォーキングなどの運動
今回は「高血圧症」について解説いたしました!治療法につては自己診断は避け医療機関の受診されることをおすすめいたします。