「酒さ(しゅさ)」と「酒さ様皮膚炎」について解説いたします!
近頃涼しい日が増えようやく秋が始まりつつあります。
暑さも収まってきたのに顔がほてっている、赤みがある等の症状でお悩みの方はいらっしゃらないでしょうか?
顔の赤みなどの症状が長引く場合に疑われる疾患として
「酒さ(しゅさ)」とそれによく似た「酒さ様皮膚炎」があります。
そこで今回は「酒さ」「酒さ様皮膚炎」の
症状、原因や治療について解説したいと思います!
♦酒さとは?
頬、額、鼻の周辺を中心とした長時間続く赤ら顔を指します。
【症状】
酒さの症状は進行度により3つに分類されます。
(第1度) 紅斑毛細血管拡張症
頬、額、鼻のあたりに赤みが現れた後、徐々に毛細血管の拡張(ヒリヒリ)と脂漏(テカテカ)もみられるようになります。
寒暖差の大きな時や飲酒時に赤みなどの症状が強くなります。
(第2度) 丘疹膿疱型
第1度の症状が進行し顔全体に広がります。
また脂漏が強まり、ニキビに似た赤い丘疹(ブツブツ)や膿疱も現れるようになります。
(第3度) 腫瘤型
第2度でみられた丘疹がいくつか合わさり、より大きな腫瘤(できもの)になります。
特に鼻は赤~赤紫色に腫れ、しこりや凸凹の盛り上がりができ、放置すると鼻瘤(団子鼻)がみられるようになります。
この他に特に眼の周囲に酒さがみられる場合は(眼型)に分類され、眼周りの腫れや結膜炎、角膜炎を生じます。
【原因】
顔表面のダニや顔の皮膚の免疫異常が原因とされていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
悪化させる要因として、日光曝露、精神的ストレス、飲酒、刺激物の摂取などが考えられています。
【治療】
完治が難しく治療も長期に渡ることが多いため、
長期内服・使用する薬などによる副作用にも注意が必要です。
【治療方法】
内服 :抗生物質、漢方薬
外用 :抗菌薬、抗炎症薬、免疫抑制薬(非ステロイド)
その他:レーザー治療など
♦酒さ様皮膚炎とは?
顔に長期間ステロイドを使用することで生じる、赤み、赤い丘疹等の酒さに似た症状を指します。
ステロイド誘発性皮膚炎とも言います。
【症状】
酒さによく似た症状が現れます。
【原因】
テロイド外用薬の長期に渡る使用によると言われていますが、他の免疫抑制薬(非ステロイド)でも生じたとの報告もあります。
酒さを持つ人に起こりやすいとも言われています。
また、ステロイドを使用すると症状が一時的に改善するために使い続けることで、症状が悪化していくこともあるようです。
【治療】
酒さを元々持っていない場合は治療により治すことができます。
まず原因と思われるステロイド等の外用薬の使用を中止します。この際、急な中止による離脱症状を防ぐために段階的に減らす、ステロイドの強さを減らしていくなど対策をとります。
【治療方法】
原因と思われる薬の使用中止と併せて行います。
内服 :抗生物質 ビタミン剤
外用 :抗菌薬、抗炎症薬、免疫抑制薬(非ステロイド)
その他:レーザー治療など
「酒さ」「酒さ様皮膚炎」はいずれも同じような症状であるため、医師でも見分けがつきづらくステロイド使用歴等から慎重に判断していく疾患です。
今回ご紹介した内容を読んでもしかしたら?と思われた方は、自己診断は避け医療機関の受診をおすすめいたします。